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国選弁護人と私選弁護人の違い
刑事事件の被疑者・被告人となってしまったとき、被疑者・被告人のサポート等をするため弁護人が付くことがあります。
弁護人には、①国選弁護人と②私選弁護人があります。
逮捕され、勾留決定となった場合で、資力その他の理由から私選弁護人が選任できないときには、国が登録名簿からランダムに選ぶ国選弁護人がつくことになります。国選弁護人は裁判所が選んだ弁護人であり、被疑者が選ぶことはできません。国選弁護人の最大のメリットは、原則費用がかからないというものです。
これに対し、私選弁護人の場合のメリットは、大きく分けて以下の3つの点にあります。
私選弁護人のメリット
①ご自身で弁護人を選任できる
国選弁護人は、事前に名簿に登録している弁護士から順番に選ばれ、ご自身で選ぶことはできません。名簿に登録している弁護士のうちには、国選・私選関係なく刑事事件に熱心に取り組んでいる弁護士もいれば、刑事事件の経験が比較的少ない弁護士もいるのが実情です。どの弁護士がご自身の国選弁護士になるかは、ある意味、「運任せ」というほかありません。
私選弁護人の場合は、刑事事件に熱心に取り組んでおり、経験等が豊富かどうか、ご自身と相性が良いかどうか(相性は想像以上に重要です。)等を、ご自身(急遽逮捕された場合は、ご家族・お知り合いになるかも知れません。)で確認して、主体的に弁護人を選任することができます。
なお、既に国選弁護人が選任されていても、その後で私選弁護人を選任することができます(この場合、国選弁護人は解任扱いとなります。)。
②早い段階で選任できる
国選弁護人は、逮捕され、勾留(最低10日間身柄を取る手続)が決まった後に、初めて付されます。国選弁護人の選任は勾留決定後であるため、例えば国選弁護人は勾留却下のための交渉をしたり、そのための準備活動をしたりすることができません。そのため国選弁護人では、早期釈放のチャンスを一度逃してしまうことになります。
それに対し、私選弁護人は、いつでも選任できます。逮捕されてから、遅くとも3日後(72時間後)までには、勾留される否かが決まるため、逮捕直後、又は逮捕前から選任することが重要です。被疑者として捜査されていれば、逮捕前であっても私選弁護人を選任することができます。特に、会社に勤務されている方や学生の方は長期間身柄を取られることは極めて重大なリスクを伴いますので、逮捕直後又は逮捕前に私選弁護士を付けることが、身柄拘束をされないこと、又は身柄拘束を短期間で終えるチャンスにつながります。
③トータルサポートができる
逮捕や勾留されてしまった場合、接見で弁護士や家族に連絡を頼まない限り、外部と連絡を取ることができません。ただ、家族の方の接見できる時間は限られていますし、罪状によっては接見禁止が付いてしまい弁護士以外との接見を禁じられる場合があります。
そのような場合でも、私選弁護人を選任した場合は、証拠隠滅にわたらない限り、被疑者の方の周辺環境の整備なども刑事事件の依頼の範囲内としてトータルサポートをすることができます。例えば、入院しているご家族について病院とのやりとりを代わりに行ったり、勤務先に被疑者の方の状況を報告したりするなど周辺問題についても対応が可能です(国選弁護人でもこれらのサポートを行う弁護士はいますが、私選弁護人の方が契約に基づき弁護士費用の支払いを受けている分、柔軟にこれらのトータルサポートを行い得るという趣旨です。)。
私選弁護人の費用
国選弁護人と異なり、私選弁護人の場合、相応の弁護士費用がかかります。
当事務所では、原則として、時間に応じたタイムチャージではなく、着手金、報酬金及び出張費用という費用体系を設けております。詳しくは当事務所の弁護士費用のページをご覧ください(弁護士費用は、依頼者様のご意向、事案の内容等を総合的に考慮し、協議の上で決定させていただきます。)。
まとめ
以上のとおり、私選弁護人には、国選弁護人とは異なるメリットがあります。
当事務所の弁護士は、日々、多くの刑事事件を私選弁護人として取り扱っており、刑事事件に造詣が深いだけでなく、数多くの早期の身柄解放、依頼者のご意向に沿った処分・判決の獲得にも成功してきています。
刑事事件の被疑者・被告人、又はそれらになる可能性があってお悩みの方は、是非、当事務所にお気軽にご連絡ください。