これって公然わいせつ?逮捕される?弁護士の解説で不安を解消!

どのような行為が公然わいせつ等に当たるのか

公然わいせつは、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりすることです。また、わいせつな文章、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した場合は、公然わいせつ物頒布罪となります。

 

公然わいせつの罪の刑罰

公然わいせつ罪は6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、または勾留もしくは科料とされています。公然わいせつ物頒布罪は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料となります。

 

公然わいせつで逮捕された場合の流れ

逮捕された場合、検察官による最終処分(起訴・不起訴を決める処分)まで最大23日間、身柄拘束されることがあります。その流れは以下のとおりです。

 

逮捕から身柄送致   最大48時間 

身柄送致から勾留請求 最大24時間 

勾留         10日~20日間

起訴後勾留      期限の定めなし(最長判決が出るまで)

 

逮捕から勾留請求まで

逮捕された警察署で取り調べを受けることになります。逮捕から48時間以内に事件と身柄が検察庁に送致されます。検察官の取り調べで、さらなる身柄拘束の必要があると判断した場合は、裁判官に被疑者を勾留するように請求します。

また、逮捕から勾留が確定するまでの間(最大で72時間)は、弁護士以外の面会は認められない場合がほとんどです。

 実務的には、事件の個別性はあるものの、検察官が「罰金相当」の判断をして、勾留請求をせず、釈放の措置を取るケースもあるようです。

 

勾留

勾留とは逮捕に引き続き身柄を拘束する処分のことを言います。

勾留するには、「罪を犯したことを疑うに足る相当な理由があること」に加え、以下の3点のうち、ひとつ以上該当することが必要となります。

・決まった住所がないこと

・証拠を隠滅すると疑うに足る相当の理由があること

・被疑者が逃亡すると疑うに足る相当の理由があること

検察官の勾留請求が裁判所に認められた勾留決定が出された場合には、最大で10日間の身体拘束を受けることになります。さらに、捜査が必要と検察官が判断した場合にはさらに10日間勾留が延長されることがあり、最大で20日間勾留される可能性があります。

 

検察官による最終処分

検察官はこの勾留期間に取り調べの内容や証拠を審査し、起訴か不起訴かを判断します。公然わいせつ事件においては、起訴につき、公判請求(正式裁判の請求)か略式請求(裁判所に書類だけ送付しての罰金刑の請求)の2種があります。

略式請求の場合を含め、一旦、起訴されれば、ほぼ確実に刑事罰を受けることになります。

不起訴となれば前科がつくことはありません。もし、被疑者が犯行を認めていたしても、犯行を立証するに足る証拠がない、情状(被疑者の性格・年齢・境遇・行為の動機や目的など)を鑑みて処罰の必要がないなどの理由から検察官が不起訴の判断する場合があります。

 

公然わいせつの弁護活動

公然わいせつ罪で捕まった場合、基本的に家族などの身元引受人がいて、検察官や裁判官に証拠隠滅や逃亡をしないことが証明できる場合や罰金相当事案と判断できる場合には、その日に家に帰れますが、勾留が認められてしまった場合は、10日間は警察の留置所から出られない状態になってしまいます。この間、会社を無断欠勤することになり、解雇されてしまう可能性もでてきます。

依頼を受けた弁護士は、早期の身柄解放や不起訴処分を獲得するために、以下のような弁護活動を行うことができます。

 

被害者との示談交渉

公然わいせつで早期釈放や罰金刑による早期処理もしくは不起訴処分の獲得を目指すためには、まず家族などの身元引受人がいて、証拠隠滅や逃亡をしないことを検察官や裁判官に説得すること、又は、事件は単発的な事案であり、罰金相当である旨を検察官に説得することが有効です。弁護士を通して、上記の事情説明で検察官や裁判官を説得できれば、多くの場合で留置所を出ることができます。早期に釈放されれば、勤務先などに逮捕されたことがばれずに、職場に復帰できるでしょう。

自宅に帰宅できた場合でも、勾留された場合でも、その後、検察庁で不起訴処分となるか、罰金刑などの刑を受けるかが決定されます。過去に性犯罪の前科がなく、単発的な一過性の事件の場合では、不起訴処分を獲得できる可能性が高まりますし、起訴される場合であっても、十分に反省していることを検察庁や裁判所に伝われば、罰金刑で終わる可能性が高いです。

 

環境整備

初犯でない場合は、懲役刑になってしまう可能性がありますが、弁護士のアドバイスに基づき、生活環境を改善することや、性犯罪再犯防止のクリニックに通院したり、寄付したり、家族の監督等反省と再犯防止の意欲を検察官・裁判官に伝えることで、執行猶予付きの判決が獲得できる可能性もあります。

 

罪を認めない場合

否認する場合には、取調べの際に作成される供述調書が重要な証拠となるため、署名押印をする前に内容をしっかりと確認し、内容に相違がないか確認しなければなりません。供述調書を作成するのは被疑者ではなく警察や検察であるため、供述調書の内容に本人の認識とは異なる内容が記載されてしまうこともあります。供述調書は署名押印をすると訂正をすることは簡単ではありませんので、 弁護士に調書の内容について相談をし、訂正すべき文言などについて専門的見地から適切なアドバイスを受けることが必要です。

否認する場合は検察官や裁判官に無実を裏付ける証拠を提出する必要があります。検察は被疑者が公然わいせつをしたということが確信できなければ、不起訴処分を下します。

したがって、公然わいせつを認める場合であっても、否認する場合であっても、まずは弁護士に相談し、事案に応じた適切な対応をとるように努めることが大切です。当事務所では、それぞれの事案に即して、示談交渉、早期の身柄の解放や勤務先への対応など必要な弁護活動を行います。

 

解決事例

在宅事件の解決例

勤務のストレス解消として、早朝、公園入口付近の路上で、自らの陰部を通行中の女性に見せつけるなどの行為に及んでいた男性が、警察に検挙されないかと不安になり、当事務所に対処を相談をした事案につき、協議の上で、弁護士が付き添い、警察に自首し、その代わりに逮捕は行わずに在宅取り調べを行う旨の了解を取り付け、さらに、捜査の結果、事件を検察庁に送検しない扱いを得ました。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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