自首とは

自首とは

自首とは、罪を犯した者が、自ら捜査機関に対し、自分が犯した罪を自発的に申告し、その処分を求めることをいいます。
自発的に申告することが求められており、捜査機関の取調べに回答する形で自白した場合は自首にはなりません。
もっとも、別の事件で取調べを受けていたとしても、捜査機関に発覚していない余罪であれば、自首には当たります。
また、自首は犯罪事実や犯人が捜査機関に発覚する前にする必要があります。
犯罪が行われたことや犯人がすでに特定されている場合には法律的には自首にはなりません。

出頭との違い

このように、自首は犯罪事実や犯人が捜査機関に発覚する前しかできませんので、捜査機関においてすでに犯罪事実や犯人が特定されている場合には、捜査機関に申告をしても自首にはあたりません。
捜査機関に犯人や犯罪事実が特定されている場合は、出頭となります。映画やサスペンスドラマ等で刑事が犯人に自首を勧めるという映像を見かけることがありますが、そのような場合、警察がすでに犯人と犯罪を特定しているため法律上の自首には当たりません。

自首のメリット

刑の減軽

自首が成立した場合、裁判所は、自首した者に対する刑を、減軽することができます。
刑法には自首があった場合に「その刑を軽減することができる」と定めています。
刑の軽減については以下のように定められています。
死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。
無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。
これは、自首をすれば必ず減軽されるということではなく、減軽する場合もあれば、減軽されない場合もあるということです。
ただし、一部の犯罪については、必ず刑の減軽や免除をしなければならないとの特例が設けられている場合もあります。

身柄拘束の回避

また、自首をすることで、身柄拘束(逮捕や勾留)を回避できる可能性が高まります。
いつ逮捕されるか毎日おびえて暮らすよりも、自首した方が良い場合があります。

弁護士のできること

自首が有効なのか検討できる

自首が成立するためには、犯罪事実や犯人が明らかになっていない段階で行う必要があります。
そのため、ご本人が自首だと思っていても、自首が成立しないという場合もあります。
刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、事件の経過を確認し、自首が有効に成立するのか、刑の軽減は期待できるのかといった点について相談することができます。

自首に同行できる

弁護士に依頼し、自首に同行してもらうこともできます。
自首する場所は、自宅の最寄りや事件の管轄の警察署の場合が多いと思います。
自首の方法は、捜査機関に出頭し、自分が関与した犯罪事実を告げれば足ります。
その場合、自首調書を取ってもらうこととなります。
捜査機関が自首として扱えば問題ありませんが、申告の内容が不十分であったり整理されていなかったりすると、捜査機関において自首として扱われず帰されてしまう場合もあります。
いざ警察官を目の前にすると、非日常的な状況ですから、言いたいことも言えなくなってしまうことも珍しくありません。
そのような場合には弁護士が状況を説明し、適切な処理がなされるよう働きかけます。
また、弁護士が同席することで不当な取り調べなど被疑利益を被ることがないようにすることができます。
自首や出頭を決断されたのであれば、弁護士と相談し申告する内容を準備されるとよいでしょう。

逮捕されても迅速に弁護活動をはじめることができる

仮に、逮捕されてしまった場合、身柄の釈放や不起訴処分を目指すためには、早期から弁護活動をはじめることが重要です。
事前に自首や出頭の相談を弁護士にしていた場合、弁護士は事件や被疑者のおかれている状況をすぐに把握することができるため、迅速に弁護活動をはじめることができます。

まとめ

自首が成立するためには、捜査機関に犯行や犯人が特定されていないことが必要です。
自首が成立する場合には、早期の身柄解放や不起訴処分等の可能性も高まります。
弁護士は経験に基づく適格なアドバイスをすることができます。
また自首に同行することもできます。
逮捕されてしまった場合にはその後も継続して弁護活動を行い、被疑者が早期に社会活動に戻れるよう尽力いたします。
自首をしようか検討されている方がおりましたらご相談をお待ちしております。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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