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裁判費用はどれくらいかかりますか?
法律で定められた刑事事件の裁判に必要な費用
刑事事件の裁判を受けること自体に、費用は発生しません。しかしながら、訴訟に必要ないくつかの費用があり、それらは「刑事訴訟費用等に関わる法律」に定められています。
主な費用は次の三つです。
1.弁護士費用(報酬・日当・旅費・宿泊費)
2.証人費用(日当・旅費・宿泊費)
3. 鑑定人・通訳人または翻訳人費用(鑑定料・通訳料または翻訳料、償還すべき費用)
弁護士費用は、国選弁護士か私選弁護士であるかどうか、また刑事事件の種類や裁判の内容によって異なります。
証人費用のうち日当は、上限額を1日当たり8,000円と定め、尋問所要時間や立会い所要時間、出頭所要時間や待機時間等に基づいて算出されます。旅費は定められる範囲内で、宿泊費は宿泊地の区分に応じて8,700円または7,800円と上限額が定められその範囲内で給付されます。
鑑定人や通訳人または翻訳人費用については、裁判所が相当と認める費用とされています。
刑事事件の裁判にかかる弁護士費用の内訳と相場
訴訟費用の中で最も大きな割合を占めるのが、弁護士費用です。弁護士費用は、国選弁護士か私選弁護士か、また私選弁護士の場合はどの弁護士に依頼するかによって金額が異なります。
国選弁護士とは裁判所に選任された弁護士のことで、特定の刑事事件に該当する場合や、資力(現金・預金)が50万円に満たない被疑者がつけることができます。特定の刑事事件とは、「法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」です。その一例として殺人罪や強盗致傷罪、窃盗罪などがあります。私選弁護士とは、本人や本人家族が選んだ弁護士のことです。
弁護士費用の内訳は、相談料や接見料、着手金や成功報酬、その他交通費や通信費等となっています。国選弁護士の場合、基本となる各金額は定められており、裁判の内容に応じて加算されていきます。私選弁護士の場合は個々によって大きく異なります。
刑事事件の種類や裁判の内容と難易度によって金額は差がありますが、一般的には国選弁護士の場合は十数万、私選弁護士の場合は60万~80万くらいになることが多いと言われています。
訴訟費用の支払いの有無と訴訟費用免除の申請
訴訟費用の支払い有無については、判決時に言い渡されます。無罪となった場合、私選弁護士にかかる費用を除き、費用はかかりません。有罪の場合、原則費用の全部または一部が負担となります。しかしながら被告人の経済状況から納付できないことが明らかである場合は、負担とならない場合があります。
有罪で費用の全部または一部が負担となった場合でも、判決から20日以内に訴訟費用免除申請をするによって、支払免除となる場合があります。
申請は書面で、訴訟費用の負担を言い渡した裁判所や訴訟費用を負担できない理由を記載し、それを証明する書類を添付します。添付書類は収入や財産について分かる、給与明細書や源泉徴収票、不動産登記簿謄本や預貯金通帳の写し等を添付するとよいでしょう。