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代理人とは何ですか?
弁護士の仕事は代理人と弁護人では異なる
民事事件において弁護士は、当事者の代理人として仕事を行います。
依頼者の代理人としての業務を行うためには、依頼者の正式な代理人であることを証明するために署名押印した委任状を裁判所へ提出しなければなりません。
余談ですが、国や地方自治体での民事裁判や行政裁判での代理人は、弁護士以外でもなれます。行政の職員がなることもあるので、弁護士がなる代理人と区別して「指定代理人」と呼んでいます。また行政側が代理人として弁護士をつけたときは、訴訟代理人と呼びますが、これは民事事件でも刑事事件でも弁護士が代理人になった時は共通して呼びます。
刑事事件の場合は検事が起訴する前段階でも、起訴後でも被疑者や被告人についた弁護士は弁護人といいます。
刑事事件で代理人として仕事を行うためには、被疑者や被告人、またはその家族が署名押印した弁護人選任届を検察庁か裁判所に提出しなければなりません。被疑者の勾留請求が認められて、身柄が拘束されている場合は指印となっています。
民事事件では、弁護人という言葉は使わない
弁護士と弁護人は字もほとんど同じであり、似たようなものがだと思っている人もいるかもしれません。
しかし、弁護士と弁護人には明確な違いがあります。
弁護士とは刑事事件の裁判で弁護を行ったりしたり、民事裁判の代理人となったりする人の職業名やそれを行うための資格の名称です。
弁護人とは刑事事件の裁判において、被告人の弁護を行うことを職業としている人のことです。つまり、弁護人とは刑事事件の裁判でしか用いない用語です。ですから、民事事件には弁護人はいません。
両者の違いを簡単にいえば、弁護士は職業や資格の名前である。
民事事件の裁判での弁護士は代理人と呼ばれ、刑事事件の裁判で被告を弁護する人は弁護人と呼ばれるということです。
また、民事訴訟手続きでは正確には訴訟代理人と呼ばれます。
字を見ればわかるように、民事訴訟における代理人という意味です。
民事訴訟では原告が被告を訴えていますから、それぞれの代理人に対しては、原告訴訟代理人、被告訴訟代理人と呼ばれます。
弁護士以外だとしても弁護人になることはできる
刑事事件では、原則、弁護士資格を持っている弁護士が被告人を弁護します。
弁護士は法律的な知識が豊富なのは当然ですが、それ以外の専門知識がない場合があります。そのため、専門知識が必要なときは、その知識を持っている人を特別弁護人として専任することがあります。特別弁護人は弁護士資格を持っていなくても、裁判所が認めれば弁護士たる弁護人とともに弁護活動を行えます。
また、家庭裁判所や簡易裁判所においては、裁判所の許可があれば唯一の弁護人として弁護士資格がない者も選任されることがありますが、地方裁判所では必ず弁護士資格を持った者を主任弁護人として選任しなければなりません。また、高等裁判所、最高裁判所では特別弁護人は認められていません。
また、少年事件においての被疑者の段階では、弁護士は弁護人として活動を行います。
しかし、家庭裁判所に送致された後は付添人として更生を助ける立場で活動します。