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時効とはなんですか?
時効とはいったいどういったものをいうのか
刑事事件に関するニュースなどで、時効が成立したなどと言った言葉が使われることがあります。弁護士などの法律のプロであれば時効についてよく知っているでしょうが弁護士でもない一般人には、分かりにくいものです。時効とは法律上の用語で、犯罪が発生して一定期間が経つと、裁判でその犯罪の罪を認定してもらうための起訴ができなることを公訴時効といいます。刑事事件では、検察官が犯人を起訴して刑事裁判にかけますが、犯罪行為が終わってから一定の期間が過ぎると、その犯人を起訴できなくなるということが、刑事訴訟法という法律に規定されています。
ひとたび時効が成立すると、警察はその犯人を逮捕できなくなってしまって、時効が成立した事件については、警察は、事件を捜査した資料を被疑者不詳として検察官に書類送検して事件は完結してしまいます。犯罪の種類によって、時効期間はさまざまです。
時効はどういった理由で存在するのか
刑事事件などで、時効というものがたびたび注目されますが、一定期間経過したら犯罪を処罰することが出来なくなる時効制度ですが、なぜ時効制度が存在するのかが不思議に思う人も多いはずです。
刑事事件に、時効制度が存在する理由としては、時間とともに証拠がどんどんと消えていって、犯罪の証拠集めができにくくなるということがあります。
時間が経てば経つほど、人の記憶もあいまいになっていきますし、残された証拠も風化していってしまいます。犯罪を立証するために必要な証拠を集められる期間には、限界が亜あるといえます。
また、事件に割ける捜査官の人員と労力にも限界があり、全ての事件をずっと捜査し続けることも限界があるといえます。事件の重大さで時効の期間に長短があるのもこのためといえます。ですが、最近では、殺人事件など重大な犯罪に関しては、時効が廃止されるなど時効に関する考え方は、時代とともに変化しつつあるといえます。
時効の進行が停止する時とはどういった場合があるのか
刑事事件などで取り上げられる時効制度の特徴として、一定期間時効が停止する場合があるということです。
時効は、起訴が行われると停止し、その裁判が確定すると再び進行を始めます。裁判が長期化しても、その途中で時効になることはないといえます。
当然、共犯者がいる場合は共犯者の時効も停止します。そして、犯人が国外にいたり、逃げ隠れしているため有効に起訴状の謄本の送達ができなかった場合にも、時効は進行を停止します。これは、国外への捜査は基本的に外国へ捜査協力を求める形しかできないため、犯人が捜査から逃れることを防止する意味合いがあります。時効制度などについて詳細が知りたい場合は、弁護士などの法律のプロに確認する事がもっとも確実といえます。