強盗致傷罪から傷害罪に罪名を落とし、不起訴処分を獲得したケース

事案の概要

吉田さん(仮名)は、男女関係のもつれから交際相手の女性に対し殴る蹴る等の暴行を加えました。
その数十分後に別れ話になり、吉田さんは従前の生活費等を精算するため女性に金銭を請求しました。女性が財布を開いて見せたため、そこからお札をとり、帰宅しました。
翌日、強盗致傷の被疑事実で逮捕され、息子と連絡がとれなくなり心配した吉田さんのご家族から当事務所に相談がありました。

 

弁護の流れ

まず、相談当日に接見に行き被疑者と面会しました。
翌日、担当検察官と交渉し、事件の流れから強盗致傷ではなく、単なる傷害罪が成立することを理解してもらいました。
また、当初は面会することも消極的であった被害者と粘り強く交渉し、何とか示談を成立させることができました。
その結果、被疑者は、不起訴処分(起訴猶予処分)となりました。

 

弁護のポイント

罪名を落とすための弁護

強盗致傷罪は、そのまま起訴されると裁判員裁判対象事件になるので、被疑者、被疑者の家族、弁護人を含めそれだけは避けたいという意向でした。
そのため、裁判員裁判対象事件として起訴されることを避けるため、捜査機関に強盗致傷事件ではなく傷害事件として扱ってもらうようにするという弁護方針を定めました。早期に担当検察官と連絡を取り、暴行と金銭交付の因果関係を否定することで、本件では強盗致傷が成立しないという主張を理解してもらうことが出来ました。
結果として、罪名は強盗致傷罪から傷害罪となりました。

被害者との示談交渉

それでも傷害罪は残るので、同時並行で被害者との間で示談はすすめるという、両にらみ作戦でいくことにしました。
当初、示談に消極的であった被害者ですが、何度かお話をさせていただき、少しずつ信頼関係を作り、示談をしていただきました。粘り強く示談交渉を続けた結果、検察官の最終決済日の直前に示談を成立させることができました。

 

弁護士のコメント

今回は逮捕直後にご連絡をいただいたことで、綿密な方針を立て、それに沿って動くことができました。そのおかげもあり、逮捕事実が裁判員裁判対象事件であったにもかかわらず、不起訴を得ることができました。
早期にご依頼いただくことで、弁護人として動ける時間や範囲が変わってくるので、改めて早期のご依頼の重要性を痛感した次第であります。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

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