被害者2名の公然わいせつ罪につき、不起訴処分を得られたケース

事案の概要

高野さん(仮名・男性)は、某県にある甲公園を散歩するのが日課でした。ある日、高野さんは、甲公園内にあるベンチで自慰行為をしてしまいました。当時の甲公園には、仕事帰りのサラリーマンや学校帰りの学生等が多数行き交っていました。
高野さんが行為に及んだ際、隣のベンチには女子中学生(Aさん・Bさん)2名が座っていました。AさんとBさんは高野さんの行為を全て見ており、すぐに警察に通報しました。その結果、高野さんは、甲公園に駆けつけた警察官に、最寄りの警察署へ連れて行かれ、任意の取調べを受けることになりました。

 

弁護活動の流れ

弁護士は、目撃者(被害者)であるAさん、Bさんとの示談交渉、そして高野さん犯行を繰り返すことがないように、性依存症専門クリニックの受診を勧めました。
被害者の1人であるAさんのご両親と連絡を取り、示談を成立させることが出来ました。ただ、もう1人の被害者のBさんのご両親は、加害者の弁護士であっても連絡先を教えたくないとのことで示談をすることはできませんでした。
事件は、検察庁に書類送検されましたが、Aさんとの間で示談が成立していること、Bさんとの示談は成立しなかったものの、高野さんが本件直後から再犯防止策に真摯に取り組んでいて、再犯可能性は大きく低減していると考えられること等が総合的に評価され、「不起訴処分」となりました。

 

弁護のポイント

再犯防止のための治療

高野さんから弁護活動の依頼を受けた弁護士は、まず、高野さんに、性依存症専門クリニックの受診を勧め、治療に通ってもらうことにしました。

 

被害者との示談交渉

そして、高野さんの事件を取り扱っている警察署に電話をし、AさんとBさんに対し、謝罪と示談をしたいので取り次いでほしいと申し入れました。
高野さんが専門クリニックに通い始め、本格的な治療が開始した頃、警察官から、「Aさんのご両親から了承を得られた。」との回答がありました。そこで弁護士は、Aさんのご両親と面談を行いました。
Aさんのご両親は、まだ幼いAさんが性的な犯罪に巻き込まれてしまったことに強い怒りを抱いていました。そして、Aさんが二度とこのような犯罪に巻き込まれることがないよう、高野さんには、徹底した再犯防止策に取り組んでほしいと思っていると打ち明けて下さいました。

弁護士は、高野さんと一緒に、徹底的に再犯防止策を検討しました。そして、高野さんには、その内容を手紙にまとめてもらい、Aさんのご両親に手渡しました。こうしたやり取りを重ねるなかで、ついにAさんのご両親が示談に応じると言ってくださいました。最終的に、Aさんのご両親との間で、高野さんを許し、刑事処罰を望まないという内容の合意書を取り交わすことができました。

一方、Bさんとそのご両親は本件と関わりたくないということで、連絡先を教えてもらうことはできず、面談もできませんでした。そこで弁護士は、高野さんがBさんに宛てて書いた謝罪文や高野さん作成の通院記録(高野さんは、通院後、診察内容や医師からもらった助言を細かくノートにまとめていました。)を疎明資料とし、高野さんのBさんに対する謝罪の気持ちや反省の念の深さ、再犯可能性の低下を訴え、不起訴処分を求める意見書を作成し、捜査機関に提出しました。

 

弁護士のコメント

公然わいせつ罪は、公益に対する罪です。ですが、局部を第三者に見せつけてしまったなど、実質的に被害者と評価しうる第三者がいる場合には、その第三者との間で示談を行うことが、不起訴処分を目指すにあたり、非常に重要なポイントとなります。
高野さんの場合、Bさんとは示談ができなかったことから、不起訴処分を得ることが難しいのではと思っていましたが、再犯防止策への取り組みを示すことで、無事に不起訴処分を得ることができました。

 

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

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