刑事弁護士を選ぶその他のポイント|刑事弁護士を選ぶ5つのポイント

弁護士費用が適正

依頼者の方の多くは、弁護士費用が高額すぎるのを敬遠されますが、
反対に安すぎると手抜きや必要な業務を十分にせずに放置されるなどの不安もあります。
刑事事件は、1回きりの法廷で判決まで行われる事件がある一方で、
無罪を争う場合や事件の内容が重大かつ複雑で共犯者等の関係者も多い場合は、
相当長期化し一審の判決までに数年間を要する事件もあり、千差万別です。
しかも、重大・複雑な事件は関係証拠も多く、1件の事件でありながら裁判調書や
供述調書等の書類だけでも高さ約2メートルの書庫が一杯になることもあります。
弁護士が、このような事件と厚さが1センチメートルにも満たない事件と同じ費用で受任することは
困難だと思います。
刑事事件に詳しい弁護士であれば、事件の概要を聞いた際、今後、どのように捜査が進み、
また、依頼を予定されている方に裁判ではどのようなところが争点となるか、
その事件に対応する弁護士費用の概算示し、依頼される方のご了解をいただい上、
委任契約を締結することになるでしょう。
その場合、弁護士費用の算定基準を説明してもらい、支払方法・支払時期などの確認もしましょう。
また、依頼をするときは、トラブルを防止するためにも、
金額なども含めた委任契約書を作ることをお勧めします
委任契約書を作らず、その都度、費用を請求する弁護士もいるようですが、これでは依頼される方にとっては、
合計して最終的にいくらになるか分からず非常に不安になると思いますので、是非作って貰うようにしましょう。

不利な点もきちんと説明

刑事事件では、ご本人やご家族にとって、いつ自由な身になれるのか、
執行猶予を付けてもらえるのかなどについて、とてもご心配なことと思います。
弁護士を頼むのだから警察官や検察官、さらには裁判所が有利な方向にすすむはずだ、
有利な判断をしてくれるはずだと思われると思います。
しかし、検察官の処理がどのような方向に行くのか、判決はどのようになるのかなど、全てが有利な結論に
至ることは、ほとんどありません。
傷害の場合を例にとると、暴行の態様はどのような内容なのか、どの部位に対するものか、
凶器は使用されたのか、暴行の回数は何回くらいでその強度はどの程度か、動機はどのようなものなのか、
計画的なのか、挑発されたのか、被害者に落ち度はないのか、
共犯者がいた場合にその中でどのような立場にあったのか、犯行の結果はどのようなものなのか、
傷害の場合、どの部分に傷害を負わせられたのか、
特に一歩間違えれば死に至らせるような部位に対するものか、
また、未婚の女性に対してその顔面に傷害を負わせた場合、結婚等に重大な影響を与えるものなのか、
被害者やその家族はどのような処罰感情をもっているのかなど、
それぞれについて有利、不利をしっかり説明できることが望ましいと思います。
有利になる点ばかりではなく、不利となる点や、どれくらい時間がかかるか
どれくらい費用がかかるかなど詳細に説明してくれることが重要です。
きちんと説明した上で、状況に応じた最適な解決方法を提案するべきなのです

依頼者、事件処理に対する姿勢が誠実

依頼者の質問に対しての回答が誠実であり、
的を得ていることは事件処理に当たって当然のことと言えるでしょう。
誠実とは、事実関係や判例などの調査を熱心に行い、わからない点はわからない
答えることです。
判例を詳しく調べなければわからないこともありますし、結果は裁判官や相手方次第になることもあります。
依頼者にとって都合のよいことばかりを話し、方針も示さず簡単に引き受け、何でもできるかのような話し方をする弁護士は避けるべきでしょう。
また、理解できないような難しい専門用語で話されるのではなく、依頼者の方が内容をイメージしやすいように、
分かりやすい言葉で簡潔に説明してくれることが大切です。
この点では、弁護士が刑事事件に関してどれだけ経験があるか、
そしてその経験等を生かしてどれだけ分かりやすい言葉で説明してくれるのか
弁護士選びの要件の一つになるかと思います。

依頼する法律事件について得意

弁護士の業務は多岐にわたっており、また、弁護士にも得意なジャンルがあります。
刑事事件を得意とし、多く扱ったことのある弁護士であれば、実践でのノウハウや経験により、
事件の進み方や方向性が分かります。
担当の警察官や検察官、裁判官の考え方、判断傾向について的確な対応ができれば、
その警察官、検察官や裁判官に対する対応策を練ることができるからです。
なお、裁判員裁判制度が新しく発足しましたが、裁判員裁判事件の場合は、
これについてどれだけ対応ができているかも、十分確認しましょう。
弁護士に刑事事件を依頼される場合であっても、その弁護士が刑事事件のどの分野を得意とするのか、
ジャンルを見極めることも大切です。
ただ、すでにお話ししたように、単なる経験の多さではなく、依頼者の方やご本人の方の立場に立ち、
事件の真相解明や警察官、検察官、さらには被害者との交渉、
そして、法廷では裁判所に対する主張を行うことなどに、
説得力と熱意をもって対応してくれることの方が大切ではないのでしょうか。

何でも相談することができ、相互理解ができる

ご本人の重要なトラブルを弁護士に任すことになるので、
弁護士との間に信頼関係がないと安心して依頼することができません。
どのような方針で物事を進めていくのか、どのような解決を目指すのか、
よく話し合える弁護士でなければなりません。
裁判になれば長期にわたって弁護士と二人三脚でやっていくことになりますので、
先入観で物事を決めつけたりせずに、依頼者の話をしっかり聞いてくれ、気持ちを理解し、
落ち度や問題点を整理してくれる弁護士がいいでしょう。
非難ばかりで、感情的な対応をする弁護士は避けた方がよいと思います。
また、ご本人が不利な点も隠さず全て話すことで、解決の方向性を探ることができますので、
弁護士が話しやすいような雰囲気を作ることも大切です。

コミュニケーションがうまくとれる

すぐに連絡をくださいと言っても、他の重要案件に手間取りなかなか連絡ができない弁護士、
事実関係の調査や裁判所に提出する書面の作成を事務所の若い弁護士に任せて、
裁判の当日だけ法廷に出廷する弁護士もいないとは限りません。
しかし、問題があるのにいつまでも放っておいたのでは、事件関係者の記憶も薄れていきます。
刑事事件のように一刻を争うというような場合には、
いつも忙しく話し合いができないような弁護士は避けた方がいいでしょう。
また、弁護士にもそれぞれ個性がありますので、相性が合うことも大切です。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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