目次
刑事事件に関係する主な法律
刑事事件に関する主たる法律
刑事事件とは、国の法律に基づく刑罰を課することが争点となる事件のことです。
どのような行為に対してどのような刑罰を課するかを定めた法律が、刑法と言われます。例えば、刑法199条には、「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」と定められています。
「刑法」とは、特定の法律の名称ですが、刑罰が定めれている法律全般を刑法と呼ぶこともあります。刑罰は、「刑法」という以外にも、様々な法律で定められています。このように、刑罰そのものの内容が定められた法律を実体法とも呼びます。
他方で、刑事事件の手続きについて定めた法律があります。最も重要なものが「刑事訴訟法」であり、個々の具体的な制度については、いくつかの特別法が定められています。このように、刑事事件の手続きについて定められた法律を手続法とも呼びます。
刑法(実体法)
刑罰の内容を定めた実体法のうち、基本となるものが「刑法」です。「刑法」には、具体的な行為と刑罰の対応関係を定めるだけではなく、全ての刑罰に適用される共通の考え方も定められています。これは総則といわれ、「刑法」以外の刑罰にも適用されます。例えば、刑の執行猶予、形の減免、共犯などについて一般原則が定められています。
具体的な行為と刑罰の対応関係を定めた法律は多くあります。ニュースなどでよく報道されるものとしては、ストーカー行為に関する「ストーカー行為等に規制に関する法律」、家庭内暴力に関する「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、コンピュータを使ったサイバー犯罪に対応するための「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、テロ行為等を対象とした「爆発物取締罰則」、売春行為に関する「売春防止法」、軽微な犯罪を対象とした「軽犯罪法」などがあります。
刑事訴訟法(手続法)
刑事事件に関して、犯人であるか否かを判断し犯罪事実を確定し、刑罰が確定し、刑罰が処されるまでの流れを刑事手続きといいます。捜査、起訴、裁判の段階がありますが、被疑者及び被告人にとって唯一の味方ともいえる弁護士は、すべての段階で被疑者及び被告人が不当な不利益を受けることがなく、被疑者及び被告人の言い分が認められるよう努力します。
この手続きに関する主な法律としては刑事手続きの全般をまとめた「刑事訴訟法」、重大犯罪に対する裁判員制度を規定した「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」、犯罪被害者の蹴り利益の保護を図ることを目的とした「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」、犯人が未成年の場合の「少年法」等があります。