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執行猶予とは何ですか?
執行猶予とは
執行猶予とは刑事事件の加害者で有罪判決を言い渡されたものに対して一定の要件のもとに様々な情状を鑑みてその刑の執行を猶予し、その猶予期間を無事に経過すれば刑の言い渡しはその効力を失うものとする制度のことです。これは刑事事件で有罪となった被告人でも隔離した刑務所での更生ではなく、社会内での更生を期待することを目的とした制度です。
執行猶予の条件
簡単に言うと刑事事件の被告人で過去に懲役刑や禁固刑の刑罰を受けていないもので、対象となる刑事事件の裁判で言い渡される刑罰が懲役3年以下である場合には、様々な情状(例えば今後被告人を正しく導くことができる人がいる場合や既に社会的制裁を受けている場合など)に応じて執行猶予が付く判決である可能性が高くなります。また、被告人の弁護士はそれらの情状を裁判官に酌量してもらえるように裁判の中で働きかけます。
一向猶予と弁護士
刑事事件の被告人の弁護士は事件の内容に合わせて、執行猶予が付く可能性のある場合には被告人に社会での自力更生を期待して何とか執行猶予つきの判決をとれるように働きます。弁護士はこれまでの経験から、執行猶予の付く可能性についての見通しを立てることできますが、先述の執行猶予となる条件はあくまでも執行猶予を付けてもよいというもので最終的には弁護士の判断ではなく、裁判所の判断となります。しかし、被害者との示談、被告人の今後の更生に関してそれを監督してくれる人の確保、定職に就くように指導する等、弁護士の働きによって被告人に有利な状況を作ることができます。
保護観察
執行猶予が付いた場合でも裁判所は保護観察を付ける場合があります。自力更生への期待で被告人を今後監督する人材が見つけられない時などは保護司に指導監督を任せるという条件を付けて執行猶予を付けることもあります。保護観察が付いた場合、被告人はその執行猶予期間中印に定期的に保護司等に報告を行い保護司の指示に従って生活を送らなければならず、違反すると執行猶予が取り下げられて直ちに刑務所に再収監されます。