知的財産権と刑事罰

知的財産権と刑事罰

知的財産権の基礎知識を身につけよう

知的財産権は、企業もしくは個人が所有する「情報」に対して与えられる権利です。知的財産権の代表的なものとしては、特許権、商標権、著作権が挙げられます。この3つの権利は、以下のように区別すると違いを理解しやすいでしょう。
・特許権・・・自然法則に則った新規性の高い発明に対して与えられる権利
・商標権・・・商品を他社の商品と明確に区別できるような図形や文字、記号などに対して与えられる権利
・著作権・・・個人や企業が作成した絵画や音楽、プログラムなどの創作性に対して与えられる権利
知的財産権はこれらの権利と、権利を持つ人あるいは企業の利益を保護する法律です。知的財産権には法律で罰則が定められており、権利を侵害した者は刑事罰に処せられます。ただし、特許権と商標権は非親告罪、著作権は親告罪と、知的財産権の法的な取り扱いは一様ではありません。
 

知的財産権侵害で告訴される可能性

知的財産権侵害で告訴される可能性は誰にでもあります。特に発明や商品のデザインなどに関わる仕事をしていなくても、突然告訴されてしまう可能性があるのです。たとえば、動画共有サイトにアップロードされている動画を、著作権を侵害している動画だと知った上でダウンロードすると著作権法違反になりますし、悪質な場合だと告訴されて刑事事件に発展する場合があります。
著作権の侵害は、10年以下の懲役あるいは1千万円以下の罰金に処せられる犯罪です。ただ、権利者が告訴を行ったからといって、必ずしも刑事裁判が行われるわけではありません。告訴を受けた後の態度や行動によっては不起訴となる場合もあるのです。次節では、知的財産権侵害で告訴を受け、刑事事件に発展した場合にとるべき行動について解説します。
 

もし知的財産権侵害で告訴されたら

もし知的財産権侵害で告訴され、権利を侵害した事実があるならば、いち早く罪を認めて謝罪の意志を伝えることが肝要です。というのも、被疑者が罪を認めており、十分に反省しているとみなされれば検察庁が起訴を見送る場合があるからです。
もし、より確実に不起訴となりたいなら、知的財産権に関する問題や刑事事件に強い弁護士を雇うとよいでしょう。弁護士と相談しながら告訴された後の行動を決定していけば、不起訴となる可能性が格段に高まります。
日本で刑事告訴が受理された場合、有罪確定率は実に99%以上です。自身の生活と将来を護るためにも、知的財産権侵害で告訴を受けたら、できるだけ早く優秀な弁護士を見つけるようにしましょう。また、知的財産権を侵害しないためにも、普段から著作権や特許権に対する意識を高く持つようにしてください。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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