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少年法とはなんですか?
少年が犯した罪に対する罰の扱いは
社会では、犯罪をした人間には、それに応じた罰を与えます。それにより、更生をさせるようにしたり、罰が与えられるようなことはしてはならないと抑止する目的があります。罰により犯罪の数を減らすことができれば、よりひとつひとつの事件に細やかな対応ができるなどのメリットもあります。なにより、犯罪をしない人間がより暮らしやすくなります。
しかし、ひとつ問題があります。大人と、少年を同様の基準でさばいて良いのかということです。
たとえば誰かを殴ってケガをさせたという場合、中学生がやったのと、30代の成人がやったという場合では、両者の精神的な成長度合いも違いますし、今後の人間性の変化の大きさも違いますから対処の方法も変わってきます。
成人へは罰を負わせることで罪の大きさを知らせることで再発を防ぎますが、少年の場合は、罰を与えることだけでなく、教育をすることを通して再発を防ごうという考えです。
このことから、通常の刑事事件と基準を変えた法律が作られました。それが少年法です。
少年法が適用される範囲はどうなっている
少年法は長く16歳までが適用範囲とされていましたが、神戸市連続児童殺傷事件などの影響で適用される年齢が引き下げられ、現在では14歳までが少年法の適用範囲となっています。14歳未満の場合は児童相談所に送られ、そこで児童自立支援施設での教育や、親の子育て支援などによって更生をさせることになります。ただし重大事件の場合は、14歳以上のケースと同様に、家庭裁判所へ送られる場合もあります。
また、犯行時、18歳以下の場合は、大人なら死刑が適当とされる場合は無期懲役に、無期懲役が適当という場合は15年以下、10年以上の懲役刑へと緩和されることになっています。
ただし、未成年だから少年法に守られている、という認識を持った未成年が多くなってきて、少年であることを逆手に取った犯罪も増えてきていることから、さらなる厳罰化を求める声も大きくなっています。
少年犯罪の処分の種類はどうなっている
少年犯罪は通常の刑事事件とちがう、独自の処分となります。
指導、注意などですめば不処分、一定期間の保護観察で更生がのぞめると考えられれば、1年程度の保護観察処分となります。
再度犯行の可能性が高い場合には少年院へ送られます。そこで教科指導、職業指導なども行われます。
また、少年院よりも開放的な施設での更生を考える場合は、児童自立支援施設への送致になる場合もあります。
より悪質な場合は通常の刑事事件として考え、検察官送致となります。16歳以上で殺人事件を犯した場合は、検察官送致になると考えていいでしょう。
少年犯罪の場合でも、弁護士をつけることは可能です。また、弁護士を付添人にするという制度もあります。国選弁護士、私選弁護士と同様に、国選付添人、視線付添人などもあります。