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企業犯罪で捕まったらどうすればいいですか?
企業犯罪とは企業内の一部または大部分の構成員による犯罪行為
企業や役所など、組織内の人物の全てまたは大部分が加担し過失の有無にかかわらず行う、あるいは行った違法行為のことを組織犯罪と呼びます。とくに企業における組織犯罪を企業犯罪と呼ぶことがあります。刑事事件として捜査の対象となります。
企業は利益を追求する経済活動を行う集団であることから、企業犯罪とは概ね経済犯罪であることが多いようです。過去の慣例を漫然と続けたことで新しい法律の違反となり刑事事件となってしまうこともあります。
複数の人間がかかわることで隠蔽の意図が発生すると摘発されることが困難になりがちです。これまでの事件では、ほとんどが内部告発により明るみに出ました。内部告発を行う個人の救済策を講じる公益通報者保護法が2006年4月1日に施行されましたが、その効果を疑問視する声も多く、司法取引の導入も取り沙汰されています。
企業犯罪に課せられる処罰はどのようなものでしょうか?
大企業などでは法律違反疑惑が報道されるだけで企業イメージが損なわれ信用が失墜し企業の存続が困難となってしまうこともあります。刑事事件となればなおさらのことです。また規模が小さい企業であっても銀行からの融資引き上げや出資者からの追求で同様に企業活動が制限されてしまいます。
しかし、我が国に於ける企業犯罪は一時的に時事問題としてマスコミ等で騒がれることがあっても、最終的には組織自体に対しての法律上の罪は問われにくく、該当企業内の個人に対しても罰金刑や行政処分で終わる事例や不起訴処分となる事例が圧倒的多数を占めてきました。また有罪判決を受けても実刑が科せられたことは極めて稀です。
あなたが仮に勤務している企業・団体が犯した「企業犯罪」というカテゴリーの嫌疑で逮捕されたとしても個人として厳しい刑事罰を問われる可能性は低いと考えても間違いではありません。
一方で株主や消費者からの民事訴訟・賠償請求といった大きなリスクが存在していることを忘れてはならないのです。また刑事事件の容疑者として逮捕されたことは重く受け止めなければなりません。
逮捕時には捜査官の氏名と所属・逮捕令状の罪状の確認を
あなたが逮捕されてしまった場合、あなたの事件への関与・過失の有無について取り調べられることになります。捜査に対して刑事事件の被疑者として素直に協力することが求められ、これを第一に考えなければなりません。
一方で知らないこと、やっていないことは明確に否定する必要があります。取り調べ中でも弁護士と面会して相談やアドバイスを受けることも可能ですが、捜査機関は弁護士の刑事事件の取り調べにおける立会いに許可を出すことは通常ありません。
逮捕前なら事情聴取の場に弁護士の同席を求めることは可能です。また自らの不利益となる供述は強要されてはならないという黙秘権が憲法で保障されていることも憶えておきましょう。
取り調べに際して不当な取り扱いを受けた場合は弁護士からの抗議を要請することができます。この場合、捜査機関は容疑者の意思を弁護士に伝える義務が生じます。特定の弁護士が思いつかない場合は、1回だけに限定されていますが当番弁護士の派遣を要請することができます。