弁護士法とは何ですか?

弁護士法とは何ですか?

日本の弁護士制度を定めている法律は弁護士法

 
弁護士法とは、日本において弁護士制度を定めている法律です。
例えば、弁護士法1条1項に
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とします」
と弁護士の使命について定めています。
この他、・弁護士法人の使命、職務、弁護士会の制度など、弁護士に関連する様々な事柄について定めています。
民事事件に関わる弁護士も刑事事件に関わる弁護士も、日本で活動する弁護士はすべて日本弁護士連合会の弁護士名簿に登録しなければならないことも弁護士法に記されています。
 

弁護士法に違反した場合は弁護士といえども刑事告発される

 
弁護士は法律の専門家です。しかし、弁護士の中にはそのような法律の知識を悪用し、刑事事件として起訴されるものもいます。
このような弁護士を懲戒する権利は日本弁護士連合会が持っており、弁護士名簿から登録を抹消する権利も有しています。
また、実際に刑事事件などを起こせば、弁護士といえども警察の捜査を受け、刑事事件として処理されます。
もしも弁護士が刑事事件を起こしたと思われる場合は、最寄りの警察などで事件は受理されます。
つまり、弁護士以外の人と何ら変わりなく処罰されるということです。ちなみに、刑事訴訟法250条では、弁護士法違反の公訴時効期間は3年です。
最近、よく耳にする弁護士が起こした刑事事件は、成年後見制度を利用した横領です。
例えば、一人暮らしで軽度の認知症の老人が高額な布団を買わされたり、リフォームを受け高額な金額を請求されたりするという詐欺事件が度々発生しています。
それらを防止するための制度が成年後見制度です。成年後見制度とは判断能力が十分でない知的障害者や認知症の老人のような人たちが、不利益を被らないように援助してくれる人を付けてもらう制度です。これらは家庭裁判所に申立てを行います。
この成年後見人になった悪徳弁護士が、判断能力が充分でないことをいいことに、保険金や貯金などを着服したと報道されることが度々あります。
 

弁護士法は弁護士を罰するだけでなく守るためにもある

 
弁護士法では、弁護士がどのような法律的な位置づけにあるのか定めています。
ですから、弁護士資格を持っていない人が報酬を得る目的で、立ち退き交渉や示談交渉などの弁護士業務を行った場合、その人は罰せられます。
また、弁護士資格を持ってない人が弁護士を斡旋する業務を行った場合も弁護士法72条に違反します。
とはいえ、報酬を貰わず無料で弁護士を紹介する場合などは、何の問題もありません。
弁護士法違反で弁護士資格を持っていない人が逮捕された最近の事例では「スルガコーポレーション事件」として報道された事件があります。
弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で建物の立退交渉を行い、弁護士法72条違反の罪により逮捕され、有罪判決も受けました。
この事件の場合、暴力団が関わっていたということもあり、取り締まりが厳しかったという意見もありますが、報酬を得る目的ではなく、無報酬で、立退交渉を行っていれば、弁護士法には違反していなかったと考えられます。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

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