拘置所ってどんなところ?家族との面会について弁護士が解説

拘置所とは

被疑者や被告人といった未決囚(判決が確定していない被収容者)を拘禁する法務省矯正局が所管する管理施設です。

拘置所に入るのはどんな人?

拘置所には、警察に逮捕され勾留が決定した者、起訴され刑事裁判の判決の確定を待つ「未決拘禁者」、そして刑事裁判で死刑判決を受け執行を待つ「死刑囚」が主に収容されます。

死刑囚は刑務所ではなく拘置所に収容されます。
それは、死刑囚が拘置所に収容されるのは、死刑囚には矯正の必要がなく、矯正の役割も担っている刑務所に収容するのがなじまないとされているからです。

実際には拘置所の定員などの問題から、勾留が決まった場合でも、拘置所に移送されず、警察署の留置場で引き続き収容されるケースがほとんどです。そのような場合では、起訴されたあとに順次拘置所に移送されます。
一般に、警察の留置場よりも拘置所の方が、生活環境がよいと言われています。
拘置所には炊事施設があり、温かい食事が食べられる(警察の留置場では、弁当やパンなどが支給されますが、冷えていることが多いようです。)、領置金で買える物の種類が多い(手元にお金があれば、お菓子や本なども買うことができます。警察の留置場では、弁当と日用品くらいしか買えないことがほとんどです。)などが主な理由です。

勾留されるのはどのようなケース?

勾留するには、「罪を犯したことを疑うに足る相当な理由があること」に加え、以下の3点のうち、ひとつ以上該当することが必要となります。

・決まった住所がないこと
・証拠を隠滅すると疑うに足る相当の理由があること
・被疑者が逃亡すると疑うに足る相当の理由があること

勾留について詳しい解説はこちら

拘置所での面会

拘置所の収容者は、接見禁止がついていない限り、家族や友人などと面会することができます。
拘置所における面会は、昼休憩を除く平日の日中のみ、1回につき30分程度認められます。混雑状況等によっては、これより短い時間での面会を求められることもあります。
面会は、被収容者1人につき1日1回しか認められません。ですので、被収容者の方が、「午前に父親と会い、午後に恋人と会う」というような1日に複数回の面会を行うことは認められません。面会をする前に、ご家族やご友人間で、誰がいつ面会をするのかを調整しておくことをおすすめします。

接見禁止の場合

なお、接見禁止を受けている場合は、指定された範囲の者との面会が禁止されます。
事件関係者はもちろんですが、証拠隠滅の可能性があるとして家族との面会も禁止されることがあります。
接見禁止の場合でも、弁護士は自由に時間制限なく面会をすることができますので、刑事事件のみならずさまざまな場面で被疑者の方をサポートすることができます。

弁護士のできること

保釈請求

弁護士は、逮捕や勾留が決まってしまった場合や、起訴が決まり刑事裁判が行われることになった場合でも、身柄解放のための保釈請求などの活動を行うことができます。
保釈請求は何度でも行うことができるため、一度保釈請求が棄却されてしまったとしても、身元引受人の数を増やすなど、条件を変えて保釈請求を行うことで、保釈が認められることがあります。
また、第1回公判前、第1回公判の罪状認否後、結審後…など、時期を変えて複数回に亘って保釈請求を行うこともあります。

接見禁止一部解除

接見禁止になってしまった場合でも、家族など一部の人間のみ接見禁止の解除を求めるといった活動を行うこともできます。
当事務所では、ご家族の方や仕事の同僚の方との接見禁止一部解除を求め、実際に一部解除が認められたケースがあります。
また、医療従事者の方との面会を認めてもらい、在監中に病気の治療を行ったという事例もあります。

接見禁止一部解除について詳しい解説はこちら

ご家族やご友人が逮捕されてしまった、勾留を解くための手段が知りたいなど、身体拘束に関するご不安やお悩みを抱えている方はお気軽にお問い合わせください。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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