刑法とはなんですか?

刑法とはなんですか?

刑法とはどういった法律のことを言うのか。

刑事事件には刑法が適用されますが、刑法とはそもそもどういったものか分からないという人も多いはずです。刑法は、刑罰と、刑罰を科せられるべき行為である犯罪を規定した法律をいいます。狭い意味では「刑法」と呼ばれる、法律そのものを意味しますが、広い意味では、刑法という法律以外の、違反した場合に科せられる法律上の規範のすべてを指します。つまりは、「軽犯罪法」や「道路交通法」といった法律も、その罰則を適用する部分については広い意味の刑法に含まれるといえます。
また、刑法以外の法律は、特別法とも呼ばれる場合があります。
刑事事件の際に適用される刑法は、国家の手によってだけ執行されるので、国家と個人との間を規律する公法に属して、個人と個人の間を規律する民法などの私法とは区別されます。刑法などの法律は複雑なので、弁護士などの法律のプロのアドバイスを受けて法律上の各種の問題を処理していくことが通常といえます。
 

刑法の基本原則とはどのようなものか

刑事事件に適用される刑法には基本的な原則として、罪刑法定主義というものがあります。これは、犯罪を起こした時に適用される刑罰は、あらかじめどのようなものが犯罪になるのか、どのような犯罪を起こせば、どういった刑罰が適用されるのかといったことがあらかじめ、法律上に明文化されていなければいけないということです。よく、「法律なければ犯罪なく、法律なければ刑罰なし」といわれますが、これは日本国憲法にも定められている基本原則といえます。
ですから、刑法などの法律に規定されていないもの、法律に規定されていても罰則が無いものなどは、その行為を行っても処罰されることは無く、刑法の中にも努力義務といわれる、「努めなければならない」などと規定されているものは、違反しても犯罪として刑事事件として処理はされないといったものもあります。弁護士に刑事事件の処理を依頼した時には、弁護士は、法律に規定されている事項なのか、法律自体が誤っていないかといった点などを追求して戦っていくことになります。
 

日本の刑法はどのような変遷を経たのか

刑法の歴史をさかのぼって見ると、日本の歴史において、日本の刑法は、古代においては中国の影響などを受けつつ、大宝律令などといった刑法と呼べるような成文法が出現してきます。その後、武士の時代に移って、鎌倉時代には貞永式目、江戸時代には公事方御定書(くじかたおさだめがき)などといった規律が制定されます。日本の古来の刑法は、身分制度を基盤とする封建法的なものが江戸幕府が崩壊し、明治維新を迎えるまで存続し、明治以降は、ヨーロッパの影響を受けて、ドイツ、フランスといった国の刑法典を参考として、現在の刑法の元が作られることになったといえます。日本の刑法が作られる際には、フランスの影響が当初は強かったといえますが、現在の刑法は最終的にはドイツの刑法の影響を強く受けているといえます。

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

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