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刑事事件の証人として呼ばれた場合はどうすればいいですか?
事実をありのままに話そう
裁判所から、刑事事件の証人として呼び出しを受けたときには、自分の記憶にしたがってありのままを話すことが大切です。自分の記憶と異なることを話すと、偽証罪という犯罪に問われることになりますし、裁判の結果も歪められてしまいます。
もし、時間が経っていたりして、明瞭な記憶がない場合には、記憶がはっきりしないとそのまま答えることになります。推察で話したりしてはいけません。
また、裁判所から証人として呼び出しを受けた場合は、原則として断ることができません。仕事が忙しかったり、どうしても行けなかったりする場合でも、日程を調整して出頭することになります。裁判所は、証人として呼ぶ必要性があるからこそ、呼び出しています。合理的な理由もなく出頭を拒否していると、勾引といって強制的に出張させられることになります。
負担が大きいと感じられるかもしれませんが、裁判を適切に機能させるには必要なことですし、誰もが逆の立場になって、証人に来てもらいたいといった立場になることもあるのです。
証人には日当や宿泊代も出る
ちなみに証人として出廷をすると、日当が出されます。裁判所に出廷すれば日当が出ますし、宿泊が必要ならば宿泊代も出ます。例えば、日当は8000円以内とされています。
これらの日当や宿泊代は、証人が放棄することもできます。被告人のために証言をすることが明らかな、事実を認めている事件の情状証人などの場合には、日当を放棄することが一般的です。これは、日当を受け取っても、裁判所から被告人の日当分が訴訟費用として請求されるからです。
裁判所は独特の雰囲気がある
法廷の真ん中の証言台の椅子に座り、左右には弁護人、被告人、検察官がおり、目の前の一段高いところには裁判官がいます。事件によっては裁判官が3人いるときもありますし、裁判員裁判であれば、裁判官の他に一般の裁判員も段の上にいることになります。そして、背中側には、複数の傍聴人がいることもあります。
このように証人は法廷内の全ての視線を受け止めてるといってもよいでしょう。緊張してしまうこともあるかと思います。
しかし、尋問では、基本的には聞かれたことに答えることが求められています。質問が分かりづらければそのように答えれば良いですし、答えがわからないときもそのように答えることができます。質問によっては、「はい」「いいえ」だけが求められることもあります。
尋問をする弁護人や検察官は、証人が緊張していることはわかっていますから、証人の証言を予想しながら問いをきいていきます。素直に、記憶どおりに答えることだけを意識されると、緊張もせずに良いと思いますし、裁判所が期待するところでもあります。