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覚せい剤で捕まったらどうすればいいですか?
弁護人の選定と家族への連絡
覚せい剤の所持や使用で逮捕されてしまった場合、ほぼ勾留されることになります。勾留は、警察の留置所で行われることがほとんどです。勾留は10日間行われ、この期間に必要な取り調べが終わらなければ延長されることになります。この時点で行うこととしては、まず弁護人を選任して、今後の方策を考えることが重要です。
覚せい剤に対する事件では、所持や使用の事実があれば、基本的には起訴されることになります。薬物事犯は事例が多く、事実上の基準がかなり固まっており、犯罪事実が認められる場合の処罰の幅は狭くなっています。しかし、本人にとって有利な事情がないか、また、今後どのように覚せい剤と縁を切っていくかを起訴前から考えていくことが大切であると考えています。
弁護人の選定と合わせて、家族への連絡も重要です。連絡が取れなくなって心配している家族もいるでしょうし、今後覚せい剤を断ち切った生活をしていくためにも、家族の協力が重要になることが多いです。弁護人が、本人と家族との間の連絡を取り持つこともあります。
不起訴を目指すケース
覚せい剤の刑事事件では、検察官が、犯罪事実が認められると判断した場合は、基本的には起訴され刑事裁判が行われることになります。
しかしながら、捜査機関からは覚せい剤の所持を疑われているけれども本人の持ち物ではなかった場合、使用を疑われているけれども使用した覚えが全くない場合などは、不起訴を目指すことになります。
捜査機関は基本的には有罪である前提で本人の言葉を疑ってきますから、自分の認識を正確に捜査機関に伝えたり、誤った事柄を伝えないように黙秘したりするなど、対応を検討することになります。このような具体的な方針は、弁護人と一緒に事実を整理していきながら決めることになります。
起訴後の保釈を目指す
結果として起訴されてしまったときは、保釈を申請します。保釈をされずに勾留が継続することとなると、身体的にも精神的にも負担であるだけでなく、弁護人との意思疎通も不十分になりかねません。また、事実を認めている場合、将来に向けて薬物を断ち切るための活動を早期に始められるメリットもあります。
保釈には、保釈保証金を収める必要があります。家族の協力を求める場合が多いです。また、制限住居が指定されることが多いです。多くの場合は、家族の住居が指定されます。保釈が許可されるか否かは、事件の具体的内容や、家族などの受け入れ体制の影響を受けますので、できる限り保釈が得られやすいように、場合によっては裁判所の意見も受け入れつつ調整をしていきます。
裁判で執行猶予を勝ち取る
起訴されれば、判決を受けることになります。身に覚えがないときには、無罪を目指すことになりますが、犯罪事実を認めているときには、執行猶予付きの懲役刑やできるだけ短期の刑を得ることが目標になります。
覚せい剤の刑事裁判は、判決の内容がほぼ一律であり、軽微な事件であれば、一回目の判決では執行猶予が付されることが多いです。もちろん初犯であっても、所持していた覚せい剤の量が多かったり、犯罪を行ったとの事実を全く受け入れられていなかったりするような場合には、実刑判決が言い渡されることもあります。
覚せい剤の前科がある場合、再び執行猶予付きの判決を得ることは容易ではありません。逮捕されてから対策を考えるとなると、極めて厳しい状況であると言わざるを得ません。
覚せい剤事犯においては、初回の裁判が極めて重要です。初回の裁判で十分に自らの行為を受け入れ、その後の再犯防止に全力で取り組むことが大切です。その結果、再犯をおこなわなければそれは素晴らしいことです。もし万が一、再び覚せい剤を使用したりしてしまったときには、いかに再発防止に力を入れて取り組んできたかを裁判所に理解してもらえるよう活動することになります。