弁護士を雇う必要があるかの判断は?

弁護士を雇う必要があるかの判断は?

刑事事件と弁護人

離婚裁判や隣家とのトラブルなど民事事件においては、弁護士を雇わずに必要な手続きを自分で行ったりして裁判に臨む人もいます。しかし、刑事事件となると警察や検察などの捜査機関とのやり取りを本人やその周囲の人だけで対応することは、容易ではありません。
 
捜査機関から罪を犯したと疑われ刑事事件の被疑者とされてしまった場合には、弁護士に弁護を依頼することができます。弁護士は、依頼を受けた弁護人として、依頼者のために活動をすることになります。
 
刑事事件は意外と身近に発生しています。例えば、家庭内や交際相手とのトラブル、近隣との方との争い、勤め先との間で金銭の揉め事など、相手方が警察に相談に行く可能性があります。刑事事件になりそうな場合には、捜査機関が動き出す可能性を考えておく必要があります。
 

弁護人を選ぶタイミング

弁護士に相談をするタイミングとして、早すぎるということはありません。もちろん、弁護士に早めに相談して、しばらく様子を見ることになる場合もありますが、その場合でも、次にいつ相談すれば良いのか目処をつけることができます。
 
事件について弁護士に相談する最も早いタイミングとしては、事件を起こしてしまったことを本人が自覚したときです。相手方から、「警察に相談に行く。」「被害届を出した。」と言われた場合も、今後の対応を検討する必要があるでしょう。
 
このような早い段階で、捜査機関が動いていなくてもできることはあります。被害者と合意や示談が成立すれば、刑事事件にならないこともあります。また、事件が捜査機関に発覚していなければ、自首をすることも考えられます。
 
捜査機関が捜査を開始した段階で弁護士に依頼をする場合は、弁護士は選任を受けた弁護人として、捜査機関とやり取りをすることになります。もちろん、弁護人は、依頼者の意向を受けて被害者との交渉も行います。
 
なお、弁護人は、逮捕される前でも選任することができます。逮捕とは、捜査機関が捜査の中で行うひとつの手続きに過ぎませんので、逮捕前でも捜査は行われています。弁護士と一緒に対応して捜査機関と交渉することで、逮捕を避けられる場合もあります。
 

逮捕されたしまったとき

逮捕されてしまうと、多くの場合はそのまま10日間の勾留が決定されます。勾留が決定されるまでは、家族であっても本人と会うことはできません。しかし、弁護士であれば、本人と警察署などで接見をして、本人から事情を聞くことができます。
 
弁護士は、依頼を受ければ、弁護人として捜査機関や被害者と交渉を行うことができます。また、本人の考えを確認して、それらを家族などへ伝えることもできます。勤め先への説明など、急いで対応する必要があることを話し合うためには、早急に接見が求められる場合は珍しくありません。
 

勾留されてしまったとき

勾留された場合、家族の方などは本人と面会することができます。しかし、面会時間は1日に15分程度しか認められていません。面会は留置担当の警察官のいる場で、いわゆるアクリル板越しに行われますので、冷静な話もできず、必要な話合いもできないことが多いようです。
 
弁護士の場合は、本人と会う時間の制限はありませんし(接見室の数が限られている場合に、弁護人同士で時間を調整することはあります)、警察官も立ち会いません。本人と弁護人とで、事件について、十分に話し合うことができます。
 

被害者との示談交渉とはどのようなものでしょう

被害者がいる刑事事件では、被害者と示談ができるかが大きな事情となります。逮捕されるか、起訴されるか、いかなる刑が言い渡されるかなど、全てに関わってきます。
 
示談交渉は、基本的には弁護人が行います。本人が自ら行う場合や、家族が行う場合も考えられないではありませんが、本人同士では話がまとまらない場合がありますし、家族では実情を冷静に受け止めることができず、話合いを進められない場合が珍しくありません。本人が逮捕されてしまえば、本人が被害者と話すことはできません。
 
一般的には、弁護人が捜査機関に対して被害者の連絡先を確認し、弁護人と被害者が話合いをすることになります。本人の意向を被害者へ伝える場合には、本人が被害者との話合いに同席する場合もありますし、被害者宛の手紙を弁護人が預かる場合もあります。弁護人としては、本人から依頼を受けた立場ではありますが、謝罪を含め本人が考えていることを、被害者へ誤解なく伝えることに努めることになります。
 

執筆者

ヴィクトワール法律事務所

刑事事件について高い専門性とノウハウを有した6名の弁護士が在籍する法律事務所です。

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