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無料法律相談とはどのようなものですか?
無料法律相談は地方公共団体や弁護士会、法律事務所で実施しています
無料法律相談とは、法律相談について弁護士が無料で対応するものです。多くの無料法律相談は30分のことが多いです。無料法律相談は、地方公共団体や弁護士会等で実施しています。予め枠が定められていますので、予約をして法律相談を行うことになります。
最近では、一部または全部の法律相談を無料にしている法律事務所も増えてきました。無料法律相談に対応している法律事務所は、事務所のホームページなどに記載されていますから、無料で相談できる内容や時間などを確認して、予約をすることになります。
弁護士としては、法律相談はできれば事情を最もよく知っている民事事件の場合は相談者自身が無料相談に訪れることが多くなりますが、刑事事件の場合、当事者が逮捕されたり勾留されたりしていることもあるので家族が訪れることも多いです。
どの無料法律相談を利用するか
法律相談の日程
刑事事件に巻き込まれた場合は、早期の対応を望まれることが多いため、法律事務所の法律相談を利用することになると思います。弁護士会や地方公共団体の法律相談は、予め枠の時間が定められていることが多く、早期の法律相談が難しかったり、時間調整ができなかったりすることがあります。
法律事務所の法律相談では、弁護士の時間調整が可能であれば、即日の法律相談も可能です。
法律相談に対応する弁護士
法律事務所での法律相談は、その法律事務所に在籍する弁護士が行うことになりますし、法律事務所によっては特定の弁護士の法律相談を希望することもできます。最近では、法律事務所のホームページなどに弁護士の紹介があることが多いですから、どのような弁護士か予め確認することができます。
また、複雑な事案であれば、予め詳しい事情を伝えたおいたり資料を弁護士に預けておいたりという方法をとることも考えられます。
他方で、弁護士会や地方公共団体の法律相談は、法律事務所や弁護士を探さないでよいという気軽さはありますが、どのような弁護士が法律相談に対応するかは選ぶことができません。弁護士であれば全く相談に応じられないということはないと思われますが、限られた時間の中で行う法律相談では、弁護士によっては馴染みのない案件には十分な回答ができない場合はあります。
法律相談後のやりとり
弁護士会や地方公共団体の法律相談では、法律相談の後に、継続して同じ弁護士に法律相談ができるかや、その弁護士に案件を依頼することができるかも確認しておく必要があります。ものによっては、法律相談のみしか対応できないという場合もありますから、法律相談を予約するときに確認しておくと良いと思います。
法律事務所での法律相談であれば、もちろんそのような制約はありません。法律事務所としても、事務所の弁護士を知ってもらうためにも無料相談をしているのですから、法律相談の結果として、その弁護士や法律事務所に依頼をする場合は、スムーズに話が進むことになります。
また、法律事務所での法律相談の場合は、直ぐに依頼ができて、弁護士も直ぐに受任業務を始めることができます。たとえば刑事事件であれば、場合によっては直ちに警察署などへ接見に行き本人から話を聞かなければならないことは珍しくありません。そのような場合には、やはり、弁護士会や地方公共団体の法律相談に予約を入れている余裕はありませんから、法律事務所へ連絡を入れることになると思います。
たまたますぐに弁護士会や地方公共団体の法律相談が受けられる場合であっても、時間が決まっていることが多いですから(30分程度)、弁護士が継続して応じられる場合も、当日の法律相談枠が終わってから改めて弁護士の法律事務所へ行かなければならないことも考えられ、なかなか早期の対応は簡単ではないかもしれません。
無料法律相談を効果的に利用する方法
資料を持参する
法律相談では、できるだけ資料を持参していただきたいと思います。
契約書などの重要な書類はもちろんですが、相手方から渡された資料や相手方から来たメールやSMSであったり、録音や録画のデータ、事件が発生するまでの状況を説明できる資料など、具体的な資料を見ながら法律相談ができますと、弁護士としても回答できることが増えていきます。
まとめメモを用意しておく
一般の法律相談でもいえることですが、特に無料法律相談の場合は時間が区切られていることが多いため、事前の準備によって得られるべきものが変わってきてしまいます。
法律相談が30分ですと、相談者が事案を説明するだけでほとんどの時間が経ってしまう場合もありますし、弁護士が積極的に相談者から事実関係を引出して回答をしても、相談者の方では焦ってしまったりして、聞きたいことが聞けなかったという気持ちになってしまうことがあります。
法律相談前の準備としては、 次のような内容をメモにして置くと良いでしょう。弁護士は仕事柄書類を読むことに慣れていますから、メモを示しつつ最も気になることを口頭で伝えると、弁護士も対応がしやすくありがたいです。
・事件の概要(時間的順序に従った事案の流れ)
・相談者が気になっていること、確認したいこと
・相談者が重要だと考えている事実関係やポイント
せっかく法律相談に足を運んでお時間を使われても、相談が空回りしてしまっては、それはもったいないことです。弁護士は、特に時間制限のない法律事務所での法律相談であっても、大まかな時間的目安をもって法律相談に対応することが多いと思われます。そのため、長時間に及ぶ場合、相談者のお話を最後まで聞くことが難しい場合もあります。特に、複数の問題が含まれていたり、事実が入り組んでいたりする場合には、事実関係を整理するために時間を使ってしまい、十分な回答ができない場合もあります。
箇条書きであっても、事案の概要を示していただけると、法律相談をスムーズに始めることができますので、お勧めいたします。
また、弁護士として相談者の方の全ての疑問に丁寧に説明していくと、どうしても時間がかかってしまう場合もあります。そのような場合は、弁護士として最も重要であり影響が大きい事柄から、回答をして事案を整理していくことになります。しかし、相談者のお考えや問題意識からずれてしまうと、期待される回答が得られないかもしれません。
確認したい事柄については、できるだけ、「裁判になっても執行猶予の判決を得たい」「相手方と示談交渉をして欲しい」「家族や会社に伝えるときに注意すべきことはないか」など具体的に考えておくと良いと思います。
さらに、弁護士に相談する事項そのものではなくとも、気になる事実などがあれば、弁護士に伝えると良いと思います。事案について最も詳しい相談者が気になるということは、そこにはやはり何か重要なことが関係している場合が多いです。その事実がどのような意味をもつのか、どのように気になっているのかうまく伝えられないとしても、そのような気になるということから、弁護士として何か問題点や重要なことに気がつくかもしれません。