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弁護士法とは何ですか?
弁護士法は日本の弁護士制度を定めている
弁護士法とは、日本において弁護士制度を定めている法律です。
弁護士法1条1項は
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」
と弁護士の使命について定めています。
弁護士法は、このような「弁護士の使命及び職務」の他に、「弁護士の資格」「弁護士の権利及び義務」などについて定めています。
弁護士法に違反した場合は弁護士といえども刑事告発される
弁護士は法律の専門家です。しかし、弁護士の中にはそのような法律の知識を悪用する者もいます。弁護士法は、弁護士に対する「懲戒」「罰則」をも定めています。刑事事件として起訴されるものもいます。
弁護士は、国家から独立した自治権を有しており、弁護士に対する懲戒は弁護士により組織された弁護士会が行います。懲戒には、「戒告」「二年以内の業務停止」「退会命令」「除名」があり、業務停止以上の懲戒を受ければ、弁護士業務ができなくなります。
また、弁護士法に違反すれば、刑事事件として捜査され、起訴されることになります。
これは、通常の刑事事件と変わりません。
弁護士法の定める犯罪には、虚偽登録の罪、汚職の罪、非弁護士との提携の罪などがあります。
もちろん、弁護士が弁護士法以外の犯罪行為をすることもあり、報道されることもあります。弁護士業務に関わるものとしては、業務上横領事件があります。弁護士は、その業務の性質上、依頼者等から金員を一時的に預かることがあります。また、金員の管理を行うこともあります。
横領事件など、弁護士としての信頼へ影響を与える事件が起きると、懲戒や刑罰についてはより厳しい判断がされる傾向にあります。
弁護士法は弁護士を罰するだけでなく守るためにもある
弁護士法は、弁護士に対して定めた法律ですが、弁護士でない者に対しても定めている部分があります。
最も重要なもののひとつが、弁護士以外が法律事務を取り扱うこと、又は法律事務を周旋することを業とすることを禁じています(弁護士法72条)。
ですから、弁護士でない者が報酬を得る目的で、立ち退き交渉や示談交渉などの弁護士業務を行った場合、それは犯罪行為となります。
また、弁護士がそのような違法業者と提携して業務も行うことも犯罪行為にあたります(非弁提携)。
典型的な例としては、交渉の業務を受ける場合があります。報道されることがよくある事例としては、サービサーとしての登録もない強引な債権回収業者や、強引な地上屋などの事例があります。また、非弁提携の典型例としては、弁護士は名前を貸しているだけで、実際の業務は弁護士資格のないものが行っている事例などがあります。
弁護士資格を持ってない人が弁護士を斡旋する業務を行った場合も弁護士法72条に違反します。しかし、報酬を貰わず無報酬で弁護士を紹介する場合は、何の問題もありません。弁護士にとっても、知人や依頼者からの紹介で相談を受けることは日常的なことといえます。