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刑事事件の傍聴について
裁判は公開されています
刑事事件における裁判は、一般人にはあまり馴染みが無く、裁判所に行ったことがないという方も珍しくないと思いますし、裁判を傍聴したことがない人も多いと思います。
一般の方が刑事裁判を傍聴する機会となると、家族や知人が起訴された場合や、学生が勉強の一環で行う場合ぐらいしかないかもしれません。
しかし、裁判は、そもそも公開されているものであって、誰でも、いつでも傍聴できるものです。これは日本国憲法に定められている権利であり、「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」(日本国憲法37条1項)と定められています。
刑事裁判の傍聴には、予約も要りませんし、途中での出入りも自由にできます。制限されるケースとしては、著名事件なので傍聴希望者が多く、法廷に入り切らないために抽選が行われる場合です。この場合は、当選者のみが傍聴できることになります。
刑事訴訟にはいろんな種類があり、万引きや痴漢などの身近な事件から、殺人事件や贈収賄事件など、総ての裁判が公開されています。刑事訴訟は口頭主義が重視されていますので、書面で進められることが多い民事訴訟と異なり、弁護人や検察官が意見を言ったり、被告人が直接発言したりといった様子を見ることができます。
裁判の傍聴をする際の注意点はどのようなものがあるのか
刑事訴訟に限りませんが、裁判所敷地内では、写真撮影や録音が禁止されています。これは、法廷内だけでなく敷地内全体で禁止されています。最近の携帯電話にはカメラや録音機能がついていますので、法廷内では電源を切るなどして、取り出さないようにすると良いでしょう。
もし記録に残したい場合には、メモをとることができます。メモをとれるなんて当たり前ではないかと思われるかもしれませんが、平成元年の最高裁判決が出されるまで、メモが禁止される運用がされていました。ただ、一般的には、パソコンなどでメモを取ることも許可されませんし、カメラや録音機能がある携帯電話でのメモも許可されません。
各法廷の廊下などには「傍聴についての注意」という注意書きが掲示されているので、法廷に入る前に一読すると良いでしょう。
裁判を傍聴するために必要な手続きについて
刑事事件判を傍聴したいと思った時に、どのような手続が必要なのかと思う人も多いと思います。しかし、裁判の傍聴には特別な手続は何もいりません。服装も常識的な格好で問題ありません。裁判所構内に入るときに身分確認もありません。ただ、一部の裁判所では、手荷物検査が行われています。
裁判所の入口や、法廷の外には、審理予定の刑事訴訟の時間、事件名及び法廷が掲載されています。具体的にどのような手続きをするかまでは書いてありませんが、窃盗、迷惑防止条例違反、覚せい剤取締法違反などの比較的シンプルな事件の場合は、1回の期日で最後まで進めることが多いので、刑事訴訟全体を見ることができることが多いです。もちろん、途中で外へ出て、他の法廷に傍聴に入っても問題ありません。
期日を事前に知ることは難しいですが、事件数が多い裁判所であれば、毎日何かしらの期日が開かれています。興味を持たれたら、気軽に行かれてみるといいと思います。