事件発生から逮捕まではどのように進むのか?

事件発生から逮捕まではどのように進むのか?

 

警察による刑事事件の認知

 
警察が刑事事件の捜査を始めるには、もちろん警察がその刑事事件について認識しなければなりません。捜査の端緒といわれますが、これに限定はありませんが、次のように分類することができます。
 

1 マスコミや出版物などで公にされた情報

独自の取材などにより真相が明らかにされるケースが考えられます。社会的な影響のある事件では、このような端緒もあります。
 

2 職務質問

職務質問は、警察が、何らかの犯罪を犯し、または犯そうとしていると疑わしい者等に対して質問をすることです。職務質問は任意なので断ることはできますが、実際の対応はなかなか難しい面もあります。
職務質問が行われる例としては、薬物の使用が正に疑われる場合、要人の来訪などで警戒態勢がとられている場合、自転車盗難に関してある程度広く行う場合、いわゆる検問をする場合などがあります。
 

3 被害届

被害届とは、被害を受けた者が、その事実を申告するものです。捜査機関においては、被害届は受理しなければならないものとされています。
 

4 告訴、告発

告訴とは、被害を受けた者が、犯人について刑事処罰を求める意思を表示することです。告発とは、被害を受けた者以外の者が、犯人について刑事処罰を求める意思を表示することです。
告訴及び告発も、被害届と同様に、捜査機関においては受理しなければならないものとされています。
なお、被害届、告訴、告発については、捜査機関が受理をしてくれない場合があるという問題があります。
 

5 自首

自首とは、罪を犯した者が、自ら捜査機関に対して、事件が捜査機関に発覚前に申告することです。
 
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警察の捜査の流れ

 
4G2A9248警察の捜査の流れについて、法律上の制約はありません。一般的には、犯罪の内容について知っている者から事情を聞いて、捜査の方針を定めることになります。被害届や告訴状が出された場合は、まずはその内容を確認することが捜査の始まりになります。
 
警察の捜査は、最終的には裁判が行われることを念頭に行われますから、そのための証拠の収集が行われます。証拠には、証拠物等の客観証拠と、供述などの主観的な証拠があります。証拠を収集する捜査には、任意なものもありますし、裁判所の令状により行われる強制捜査もあります。
 
逮捕は裁判所の令状により行われれますが、令状を請求したり逮捕したりするタイミングは捜査機関が判断することになります。これは事件により様々な事情が考えられます。逮捕をする場合、傷害事件など事実関係が明らかであれば、早期に逮捕される可能性がありますし、警察において大量の証拠を精査したり長時間の捜査を要したりする事件などでは、事件が煮詰まってくるまで逮捕されないことも考えられます。
 
逮捕した場合には、その後勾留される可能性が高いのですが、勾留ができる期間は上限があります。そして、一般的には勾留の期間内に、検察官は被疑者を起訴するか否かを決めることになります。
 

 

逮捕までの流れと目的、備えておきたいこと

 
逮捕の要件は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとされています(刑事訴訟法199条1項)。その一方で、裁判官は、逮捕の理由があると認められる場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他の諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡するおそれがなく、かつ、罪証を隠滅するおそれがないなど明らかに逮捕の必要性がない場合には、逮捕状を発付することができません(刑事訴訟規則143条の3)。
 
もし逮捕の可能性を減らしたいとするのであれば、この要件に照らし、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを、捜査機関に理解してもらっておく必要があります。可能であれば、予め弁護士に相談するなどして、捜査機関に対して説明する内容を整理しておくことは有用です。もし罪を犯してしまったのであれば、例えば被害者に対して示談交渉を行ったりして、捜査そのものの必要性を減らしたり、自ら警察に自首をして、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを伝えることが考えられます。
 
4G2A9103また、自分としては冤罪であると考えていたとしても、捜査機関からは被疑者として疑われているような場合には、捜査機関からの捜査を待つのではなく、自身の疑いを晴らす証拠や事情を警察に先に伝えておくということも考えられます。
 
ただし、現行犯逮捕の場合には、裁判官による令状は不要であり、また、捜査機関に対して十分な説明をすることも難しいことが多いです。とはいえ、このような場合であっても、予め準備をしていれば、逮捕後の勾留請求や勾留質問のときに、十分な説明をすることができ、勾留を避ける可能性が上げることができる場合があります。
 
逮捕されてから勾留されるまでは、弁護士しか本人と会うことができませんし、時間的な制約もありますから(いわゆる2泊3日といわれるもの)、捜査機関や裁判官を説得する資料を揃えきれない場合もあります。
 
事件の重大さによっては、どれだけ準備をしても逮捕されることを避けられない場合もありますが、そのような事件であったとしても、取調べにどのように対応するか、注意すべきことや、逮捕される前に準備しておくことがないか、一度考えておくことをお勧めします。逮捕や勾留されるというのは、一般の方にとっては異常な自体ですので、冷静な判断は容易ではありません。捜査期間から罪を犯したと疑われる事情がある場合には、その後の捜査の流れを理解しておくことが重要です。
 
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